著書紹介ページ

『この感情が思い出に変わる頃には、』

善意の第三者 著

書籍の表紙

「君と付き合うことに決めたから」
凛音のその言葉で、結月の平凡な日常が色づき始める。 しかし、その裏で凛音は結月に言えないある決意を抱えていた。
一方、親友の悠里の紹介で、結月は未夢と出会う。結月と凛音の関係を知るうちに、未夢もまた結月への想いを募らせる。
三人の思い、一つの結末。三人の想いが交錯する時、結末は希望か、それとも絶望か?
青春時代特有の輝きと痛み、人生における選択の難しさを描いた高校生のもどかしくも切ない青春群像劇。


善意の第三者    X(旧twitter)

著者。こんな名前で公開したことを今になって後悔している。でも泣かない。泣いてない。
兵庫県神戸市生まれ。元へっぽこシステムエンジニアの図書館司書。
危険物やFP技能士、フォークリフト免許など使わない資格を集めてカードバトルをしている。
2022年から本格的に小説の投稿・公募を始めたら幸運にも書籍化された。
ちゃんと取り組んだら夢は叶うんですね。だったら次の夢はスマブラの参戦にします。

そんなことよりここまで読んでくれるあなたはとてもいい人ですね



セルフライナーノーツ

本作品のネタバレにならない範囲の用語解説や元ネタの解説です。

どんな話をどんな人が書いたのか

高校生の幼馴染たちが色々なものとぶつかって、葛藤して、成長して、乗り越えたり乗り越えなかったりするブルーライト文芸、青春群像劇です。
作者は遥か昔に青春が終わった青春ゾンビです。報復的青春のために、ずっと青春群像劇を書き続けていました。

作成秘話みたいなもの

昔書いた小説が公募の一次すら通らなくて、悔しくてちゃんと向き合って書いた作品です。正直言うと自分が書きたいことだけを書いた作品ではないです。 「自分が書きたいこと+多分みんなが好きそうなこと」割合は黙っておきますが、そういう作品です。 だからそれがこう評価されたのは嬉しいです。 今、私はずっと「自分が書きたいこと」だけの小説を書き続けています。いつかまたどこかで会えるといいですね。そう願っています。

この小説に登場する楽曲

千年メダル(ハイロウズ)・青春時代(GoingSteady)・世界の終わり(TMGE)。男子高校生が通る音楽です。

文化祭で出てきたバンド名、EndJackの由来

他作品でも共通して出てくる架空のバンド名です。「燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや」の燕雀から取っています。
大きな鳥である鴻の志は小鳥である燕や雀には解らないという意味の故事であり、その小者の比喩である燕雀からEndJack. つまりは自分たちは能力のある人間ではない。鴻にはなれないという思いのバンド名です。

「人にはそれぞれ理由があるのだよ、真島昌利みたいに」の言葉

ブルーハーツ、ハイロウズ、クロマニヨンズのギタリスト、真島昌利のソロアルバムタイトル、「人にはそれぞれ理由がある」より引用。名盤だからみんな買おうね。

ザクレロ似の店主って何ですか

正式名称は伏せますが、昔こんな感じの名前のWebページがあったんです。ウイットに富んだ日記を上げてらっしゃって、たまに本質を突いたことがあったりして。 そこで出会った言葉は今でも大事にしてたりします。 いまじゃ跡形すら見つからないから、この言葉で残すことで何か意味があるかなと思ってこの言葉を置きました。

いちご同盟の引用シーン

好きだからかなり無理やりに引用しています。分かってます。あの引用がかなり無茶していることは。そもそもこの物語自体、死ぬほど好きないちご同盟を俺なりに解釈して目指した作品です。踏まえて読んでもらうと納得できる部分があると思います。そうです、そういうことです。だから「いちご同盟みたいな話だった」という感想貰った時は飛び上がるぐらい嬉しかったです。

『とあるロックスターが死に方よりも生き方だよなとか言ってた』

甲本ヒロトの名言です。この御方の他の言葉全てを肯定(盲信)している私ですが、この言葉だけは全てを肯定ができなくてあんな感じで引用をしました。

あとがきじみたもの

 初めまして、善意の第三者です。この本を手に取っていただいて、ここまで辿り着いていただいてありがとうございます。
 彼ら彼女らの物語、楽しんでいただけましたでしょうか。書いている私自身がとても楽しかったので、その一部でも皆さんに伝わっていれば幸せです。
 この先、私の頭の中にしか存在しなかった凛音や結月、未夢たちが、皆さんの頭の中にお邪魔して新たな物語を紡いでゆくのが楽しみです。
 さて、あとがきということで、私の好きな小説のあとがきの話をさせてください。
萬屋直人著「旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。(電撃文庫)」のあとがきには、こんな問いかけがあります。

『もし、自分が居なくなった後、世界に自分の痕跡を何一つ残せないとしたら、どうしますか?』

 この質問に出会って以来、私はずっと考えてきました。だけど、答えはまだ見つかりません。
 答えが見つからないということは、逆説的に言えば、痕跡を残すことが生きる意味なのかもしれません。
 では、自分は痕跡が残せるんだろうか。

 世間には自分の上位互換ばかりで、始めた趣味はすべて中途半端。高らかに掲げられる能力や特技なんて何もありません。
 履歴書の趣味・特技の欄はそりゃ大嫌いでした。痕跡を残せない。つまりは生きる意味がないのだろうか。それに苦しんだりもしました。
 それなりに色々挑戦しました。痕跡を残すために。興味のないことにも手を出し、性格に合わないのに多くの初対面の人と交流もしました。結果器用貧乏になっただけでした。
 だけど私の痕跡はこの小説になりそうです。痕跡を残そうと努力していたことではなく、ただ楽しいからやっていたことが、私の痕跡になったのです。
 これを読んでいるあなたも生きる意味とは何かと悩んでいるかもしれません。あなたでなくても周りで悩んでいる人がいるかもしれません。これから現れるかもしれません。
 でもね、実際生きることに意味なんてないんです。生きることが存在していて、その後に意味という定義ができたのです。言葉で定義しないと扱えないから。だから考えるだけ無駄です。
 だけど、それでもその意味に悩むのなら、意味が欲しいのなら、くれてやります。痕跡です。痕跡を残すことです。
 だけどそれを残せないからといって絶望する必要はないんです。残そうとしたら残らないんです。好きにすればいい。好きにするということが、あなたの痕跡になるのです。

 さて、私の痕跡、楽しんでいただけましたか?
 私が小説を書いているのは、大げさに言えば祈りみたいなものです。小説に人生を救われたことがあるから、その恩返しです。
 だからそう、この小説の一節でも、一文でも、一言でも、あなたの心に引っ掛かってくれたら幸せです。

 手に取ってくれてありがとうございます。ここまで読んでくれてありがとうございます。ありがとうじゃ足りないですが、ありがとう以外の言葉が見当たりません。その程度の語彙力の物書きです。
 それでは、また会えたらいいですね。


 あなたのその感情が思い出に変わる頃には、また遊びましょう。


善意の第三者

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